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5月読書まとめ

5月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2494ページ

GIANT KILLING(15) (モーニングKC)GIANT KILLING(15) (モーニングKC)
達海猛、ETU選手時代の章。才能の開花と反比例する様にクラブへの影響は様々な波紋を広げる。サッカー選手のピークは短く、それ故にその輝きは眩しすぎる(ダービーマッチの達海のゴールときたら!!)。クラブ黎明期の様子も微笑ましく、サッカーに関わる全てが堪能できる作品だと、相変わらず感心してしまう。
読了日:05月27日 著者:ツジトモ 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)国境の南、太陽の西 (講談社文庫)
10年振りの再読。主人公は36歳の裕福な飲食店経営者で、ムラカミハルキ的世界では珍しく「社会」にコミットしている存在。しかし社会にコミットしている分、その現実との折り合いをつける難しさが、作品を通して非常にリアルだと感じた。そういったディテールが単純な不倫バナシを秀逸な作品に昇華させている。そして誰もがヒステリア・シベリアナになる可能性を持っているし、僕らは大事な物事を少しづつ失いながら生きているんだと思う。
読了日:05月27日 著者:村上 春樹 1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
BOOK1、2で展開された天吾と青豆の物語は、今回「牛河」という追跡者を交える事で、これまでの物語の補完をしながら前に進行するという手法で紡がれていく。「猫の街」「1Q84」として描かれる世界は、より現実世界との境界線が曖昧となり、多重構造の様相をどんどん増していく。驚いたのは、近年の作品から少しづつ見られた「神の視点」がより顕著になった事。これは主要人物の視点だけで世界を語るのが限界となった為で、逆に言えば「それ程までに深い世界」を著者が創り上げているから。
読了日:05月19日 著者:村上 春樹 ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)
80年代、自己再生の物語。下巻は主人公が更なる喪失を重ねながら、本当に自分が「求めている」モノ(=ユミヨシさん)に辿り着くまでを淡々と描かれています。次々と混みいった状況に引きずり込まれる「僕」の葛藤は、成年期の都市生活者であれば誰しも感じる状況であり、そんな中で「踊りつづけること」は生きていく為に本当に必要な手段なのだと思えた。おそらく8年振りの再読。1Q84のbook3ではなく、本棚からこの本を選んだのは、自分の中の何かしらが必要だと感じたから。そして僕は「かっこう」と口にしてみる。
読了日:05月11日 著者:村上 春樹 ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)
「羊をめぐる冒険」から数年後の物語。主人公は喪失からの自己再生を80年代の高度成長社会の中で、奇妙な道筋を辿りながら果たして行く。彼の場所である「いるかホテル」とホテルの精、奇妙な芸術一家、芸能人の友人と娼婦、そして刑事達。登場人物の奇妙な結び目は主人公を現実世界にコミットさせていく為のシステム。僕は今34歳になり、この本の主人公と同い年になった。20代の頃にはイメージでしか味わえなかった「僕」と「五反田くん」のやり取りが、よく理解出来たのは新たな発見。
読了日:05月11日 著者:村上 春樹 バクマン。 8 (ジャンプコミックス)バクマン。 8 (ジャンプコミックス)
2010年版の「まんが道」第8巻。ちょっと忙しい巻でしたかね。蒼樹さんと岩瀬によるツンデレ閑話休題は、いつの間にか本編にフェードインし、最高とシュージンの新たなライバルへ。敵であり仲間でもある「ライバル」が切磋琢磨する様子は正しくジャンプの王道かと。中井さんの駄目っぷりは物語のテンポをダレさせるけど、これはきっと必要悪。服部さんと雄二郎さんの大人の悪だくみ(?)は次巻へのオーバードライブへ。
読了日:05月03日 著者:小畑 健 蹴球風見鶏 (SAN-EI MOOK)蹴球風見鶏 (SAN-EI MOOK)
日本サッカーのタブロイド紙「ELGOLAZO」の水曜版に連載されている、とうこくさんの「蹴球風見鶏」がやっと単行本化!08、09シーズンを中心に掲載当時の漫画とJ1、J2のシーズンデータがよく纏まっています。とうこくさんの絵がカワイイのと、Jリーグ全体が「良い意味」でゆるく俯瞰できます。各クラブの状況をマスコットキャラと監督に擬人化させる手法は本当に上手です!個人的には浦和サポなので07シーズン以前も単行本化して欲しいです。
読了日:05月03日 著者:とうこく りえ のだめカンタービレ(24) (講談社コミックスキス)のだめカンタービレ(24) (講談社コミックスキス)
本編終了後の番外編はなんとR☆Sオケのオペラ編!峰くんや真澄ちゃん達、懐かしの面々が踊る中で、千秋とのだめのエピローグも沢山詰まっていて、まだまだのだめワールドが堪能できます。もともとクラシック漫画なのでオペラ(しかも喜劇)的要素が高かったですが、実際にオペラがテーマになると、キャラの動きにもドライブがかかってて凄いです。しばらく楽しめます。
読了日:05月02日 著者:二ノ宮 知子
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冬の陽光

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